「日本映画の感想文」のトップページへ

「サイトマップ」へ


モスラ2 海底の大決戦


■公開:1997年
■制作:東宝
■監督:三好邦夫
■助監:
■脚本:
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:
■備考:増えすぎたブラックバスは釣れるけど、、。


 舞台は石垣島。ペンションを経営している母・紺野美紗子の娘・満島ひかりは、いたずら坊主のジャイアン(みたいなデブ)とのび太(みたいなヒョロチビ)と一緒に林の中で毛玉(みたいな妖精)・ゴーゴを拾う。そこへ悪い妖精・羽野晶紀が現われ、ゴーゴは伝説の理想郷の生き物で、そこには世界を支配できる神秘の力を秘めた宝があるという。モスラのシャーマンである二人の妖精エリアス・小林恵山口紗弥加は突如現われた怪獣・ダガーラを倒すために、子供達とともに理想郷を探しに行く。

 子供達がたどりついた理想郷は与那国島の近くに沈んでいたピラミッド型の都市。守護神・野波麻帆は、ダガーラはゴミを食べる怪獣として理想郷の人々が作ったこと、計算違いで有害なヒトデを産むようになったこと伝える。水に潜れないモスラと、海の怪獣との戦いはモスラにとって圧倒的に不利。モスラ、最大のピンチ!

 全然、期待していなかったので、蓋を開けたらなかなかに面白かった。蛾のぶんざいで(筆者は昆虫が大嫌い)ピンの主役を張れるとは、やはりモスラは偉大だ、が、気になるのは最近、妙に戦闘的な顔つきと体つきになってきたことだ。水中モードのときもそうだが、徐々に鋭角的な造作になっているのが気に入らない。

 描写もだんだんグロテスクになってるぞ。ゴミを食べるダガーラが体内で生成している、「エイリアン」の卵みたいなヘンテコなドロドロした液体を吐くヒトデ。ダイオキシンみたいなもんだな。あれがモスラの体にびーっしり付着してるとこなんか、かなり痒い。それに悪い怪獣の体内に分散して、蛾(水中モード)の大群になって飛び込んで行くシーンなどでやたらとCGを使うもんだから、温もりもなにもあったもんじゃない。幼虫の糸吐きのようなファンタジー色が、少しづつ削がれて行くようでなんだか寂しい。

 悪い妖精は環境を破壊する人類は絶滅させるべきだと主張するが、エリアスは地球の一部である人類はかならず過ちに気付くと弁護する。守護神は子供達の素直な心を信じ、ゴーゴにモスラを救出させ、ピラミッドともども、ダガーラを連れて水の柱となって消えて行った。

 文明の進歩にペシミスティックになりがちなのが、昨今の日本の怪獣映画のコンセプトである。地球に仇為す人類は滅亡すべきだという悪い妖精の主張は、決して全面的に間違ってはいないのだと、映画は語る。地球はモスラのように寛大ではない。映画の真意がこのように感じられるのが、ちょっと寂しい、今日この頃。

1998年01月20日

【追記】

※本文中敬称略


このページのてっぺんへ

■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16