100発100中 |
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■公開:1965年 ■制作:東宝 ■監督:福田純 ■助監: ■脚本: ■撮影: ■音楽: ■美術: ■主演:宝田明 ■寸評: |
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国際警察の捜査官・黒部進が殺される。彼になりすました殺し屋が、拳銃密売組織のボスを倒すまで。 「ママンに怒られちゃう」が口癖の宝田明はフランス人の三世。この「三世」というところに注目しましょう。彼は爆弾娘(注:様々な爆弾を発明している殺し屋)の浜美枝につきまとわれつつ、対立するやくざの双方の組に、改造拳銃を売りつけようとしている中国人・多々良純を追っています。 改造拳銃の名前はCRS。コルトとリボルバーとスミスアンドウエッソンのイイトコ取りという、意味。拳銃のスペックを、なに気で紹介するのも脚本の岡本喜八のおかげさまでしょうか。「国際秘密警察シリーズ」で東宝のカルト王の地位を確立した福田純監督も脚本に煽られて、エンジン全開状態。ほ〜んと、どこから紹介したらいいのか迷うほどの、傑作です! ただのドタバタではありませんぞ。セスナから脱出した多々良純が、落下傘で降下中、浜美枝の乗ったセスナに巻き込まれて、一瞬にしてミンチになるスプラッター風味なんか、完璧に日本映画の、泥臭いアクションの常識を超越してます。 宝田明と言えば、東宝では数少ない下品が売り物のナイスガイ(?)。同性から見たら鼻もちならないキザな奴なんでしょうが、それが度を超すとこんなに問答無用のイカス人になってしまうというコトですね。ボインの浜美枝に鼻の下を伸ばしているだけでなく、ラスト、ボスの外人をわざと逃がして、拳銃をとったところを鮮やかに射殺するカッコよさ。実は凄腕の殺し屋だったというオチです。 この脚本にはトリッキーな仕掛けがあります。それが平田昭彦(様)でございます(おお、急に丁寧な言葉になってしまいました)。国際警察なのか殺し屋なのか、宝田の正体を最後まで、完璧に前者であると思わせた仕掛人。平田(様)の武器はポケットボトルに仕込んだ、濃硫酸。シュワシュワ〜と人間を溶かしてしまうテクニックも、なかなか凄みがありました。 舞台もパリから東京、そしてマニラへ。このマニラ・ロケは国際秘密警察シリーズの「虎の牙」でもお馴染みの建物が登場。ついでにセットも使い回し。マニラのボスのアジトは「大盗賊」のロケ地です。マニラのはずなのに、エンディングで宝田が乗っているモータボートにIHI(石川島播磨重工)のロゴがば〜んと出るのはご愛敬。 それにしても浜美枝のナイスバディは凄いですね〜。最後の銃激戦なんかビキニよ、ビキニ。ああ、ここに若林映子がいてくれたら、、、それじゃ「007」になっちゃう?。でもね、この映画を007のパクリなんて言うのはチト、お手軽すぎません?そのムチャクチャぶりは、完全に本家を突き飛ばしてます(超えてる、んじゃなくて)。こりゃやっぱ、三橋達也じゃあ、こうはいきませんね。 お色気ムンムンの女殺し屋・浜美枝に、少々ズッコケている日本国警視庁の刑事・有島一郎。ほう〜らね、ルパン三世のキャラクターでしょ、まるっきり。アジトで、ガソリンの入ったドラム缶が大爆発して悪人共に降りかかるシーンのタッチは、完全にアニメみたい、ってこの映画のほうが先なんですけど。アメコミ風の絵作りといい、モンキーパンチ先生、絶対これ、観たんでしょうねえ。 そう考えると、この映画は今日のアニメブームのきっかけとなったと言えるかもしれません。なんだか急に立派な作品に見えてきませんか?。 宝田明は、東映へトラバーユした鶴田浩二の甘さに、コミカルな味が加わって、東宝の看板スターに登り詰めたところで、あの、大スター・加山雄三に足元をすくわれた人。一時が万事、大らかで爽やかな加山に対抗するためには、キワモノというケモノ道しかなかったわけですが、そのチョイスは大成功。柳の下のドジョウを狙った東宝は、このお色気アクション路線をテレビに展開しようとして、あの伝説のカルト番組「平四郎危機一髪」を誕生させました。ところが好事魔多しで、番組の撮影中の事故で宝田明が降板したため本当に幻の番組なりました。 福田純と岡本喜八と宝田明。この素晴しすぎるキワモノ・トリオのアクションコメディはLDが出ている(1997/10現在)ので、ぜひに観てね! (1997年10月31日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16