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ヤマトタケル


■公開:1994年
■制作:東宝
■監督:大河原孝夫
■助監:
■脚本:三村渉
■原作:
■撮影:
■美術:
■音楽:
■主演:高島兄=高島政宏
■備考:沢口靖子の「カメハメ波」はなかなか元気があってよろしい!


 お断りしておきます。筆者は漢字音痴なのでキャラクターやアイテムの紹介は全部、カタカナでいきます。日本武尊、天照大神くらいはなんとか分かりますが、ムラクモノツルギとか、ヤマタノオロチ、スサノオ、ツクヨミ、クマソとかが自信ないんで。

 ヤマトタケル・高島゙兄゛政宏は双子だった。これを不吉だということで占師・麿赤児に唆された天皇・篠田三郎がタケルの始末を麿に依頼する。母・杜けあきの手から奪われたタケルは崖からポイ捨てされるが、そこへ鳳凰が現われて彼を救った。謎の勾玉を授かり成長したタケル。母親と兄の殺人犯として父親から疎まれたタケルはクマソ・藤岡弘征伐に赴く。麿赤児は実はヤマタノオロチの牙が変化した妖怪で、アマテラスと戦って破れたツクヨミ・阿部寛を復活させようとしていたのだった。

 巫女・宮本信子の助力も得て、タケルは洞窟でスサノオノミコト・目黒裕樹の幽霊(残留思念ってやつですか?字は適当です。)に出会い自分がツクヨミと戦う運命にあることを知る。タケルはオトタチバナ姫・沢口靖子とともに麿赤児を倒し、月面で復活したツクヨミと対決する。

 いやあ、カッコいいっすねえ藤岡弘兄い。クマソ神というゴーレムみたいな守護神を奉って、美女を生贄しているとんでもない奴なのだが、タケルと勇ましく戦って死にます。惜しまれて死ぬ「悪役」ってのは実に美味しいですな。ヘアスタイルがちょっとボブマリー風で、さらに言えばオウムの教祖っぽいと言う意見もあるんですが。

 オトタチバナ姫の沢口靖子は、タケルから「オト」というニックネームで呼ばれています。じゃあラトウはどうした?ってラグビーじゃないんだからさあ、もうちょっと上品にならないもんかしらねえ。オトの武器は「ドラゴンボール」の「カメハメ波」みたいでした。あんまり役に立たなかったけど。

 ちょっと造詣の深い人だったら当然「日本誕生」を思い出しますよね。ヤマタノオロチと戦ったのはスサノオだよなあ、ヤマトタケルは人間なんだからそんな怪獣と戦うなんて変だよなあ。とまあ思ってみたりもするわけですが、この映画ではスサノオ・目黒裕樹を復活させて、復讐のために蘇ってくるツクヨミをタケルに退治させるためにモノノケの力を授けます。

 おっと「この作品てスターウォーズのパクリじゃねーの」と思ったそこの人!目黒が「オビワン」で、ムラクモノ剣が「レーザーブレード」で、モノノケの力ってそれ「フォース」のこと?、、、イーじゃーないかあ、そんなこと。下手に隠しだてせずに正直にパクってんだし、それはそれで納得してあげようじゃないの。麿の存在ってハマープロ作品でよく出てくるドラキュラのサーバントだね。

 日本の神話伝説というのはもう完璧にSFだ。あらキングギドラさん、ずいぶん仲間(首)が増えたのねえ、ってそれはヤマタノオロチ。その怪獣と戦うための究極の「力」ってのが戦隊シリーズみたいな「巨大ロボット」。大魔神とメカゴジラを足して2で割ったようなデザインが面白かった。もうすこしアクションが出てくると良かったんだけどね。あと鳳凰ですか?飛ぶ姿がなんだか、そのう、安っぽいオモチャみたいでねえ。これは冴えなかったなあ。顔がニワトリみたいなのは可愛かったけど。

 登場するキャラクターの中で抜群にデザインが良かったのは阿部寛・ツクヨミの鎧だ。「宇宙からのメッセージ」のガバナス大帝(成田三樹夫)を思い出してしまった。登場シーンが少なかったのは残念だったけど、頭悪そう(で、でかい)高島タケルと比較して圧倒的にカッコよかった。で阿部が全裸で寝ている姿は、アランドロンのバイク映画「あの胸にもういちど」みたいでしたね。

 古今東西のホラー、SF映画に影響されまくった映画だが、個々のアイデアはなかなか見るべきものがありました。だけどさあ、篠田が被っている冠、どう見たって「銅鐸」です。う〜ん、やっぱりヘンテコだ。

1997年03月19日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16