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網走番外地 大雪原の対決


■公開:1966年

■制作:東映

■監督:石井輝男

■脚本:神波史男、松田寛夫

■原作:

■撮影:

■音楽:

■美術:

■主演:高倉健

■寸評:内田良平が顔面ステーキ。


 しかしなんだねー鬼虎さんってふだん何してるんだろう?

 網走刑務所から白熊・内田良平が脱走した。直後に釈放された立花・高倉健は、濡れ衣を着せられて死んだ仲間の遺骨を故郷に届けに行く。車中で知り合った男・吉田輝雄は財布を落したから奢れといって付きまとう調子のいい奴だ。頼られたら断われない健さんが入った酒場の経営者が「7人殺しの鬼寅親分」(嵐寛寿郎)だと聞いて女達にも酒を振る舞うが、実は悪ボス・上田吉二郎が「鬼寅」の名前を騙っていることが判明。おまけに上田の元には白熊が身を寄せていた。

 白熊は身元が割れないようにダルマストーブに顔をおしつけて焼いてしまうようなクレージーな奴だ。石油の利権を狙っている上田吉二郎は、地主を殺害して借用書をカタに土地を取り上げようとする。そんな意地汚ない野郎共を許しておく健さんではない。さっそく吉田とともに撃滅に向かうが、上田は吉田の親の敵でもあることが分かる。

 ライフルによる銃撃戦の最中に「そろそろだな、、」と思っているとやっぱり登場!鬼寅親分。上田吉二郎の組に下男として潜入していたという都合の良さで、健さんと吉田をサポート。上田吉二郎と決闘の末、汚い手口で撃たれた吉田が絶命。白熊を捕まえて健さんはふたたび網走刑務所へもどる。

 冒頭の酒場で「スコッチ」を注文するキザな吉田に対して、大和魂の健さんは「焼酎」を注文する。酔いが回った健さんは吉田の真似をして「スピッツ飲もうぜ!スピッツよお!」と叫ぶ。劇中の吉田輝雄と観客は「スコッチ」を「スピッツ」に変換させてしまう健さんの素晴しすぎるギャグに酔う。

 このシリーズの出演者はそれぞれにきっちり見せ場があってお得だ。映画のストーリーを面白くするのは登場人物のキャラクターのバリエーションの程よい多彩(量ではく質)さであると思う。多すぎると疲れるし、少なければ単調になる。主役があまりにも目立ちすぎると、一本調子になりがちだ。ところが網走番外地シリーズは大スター・高倉健が主役でありながら、狂言回しに徹しているような和気あいあいとした雰囲気があって、たとえば本作品では網走仲間達の出番は少ないが後でちゃんと印象に残るのである。

 脇のほうで若水ヤエ子がお馴染みの東北弁で怪演しているのも嬉しい。

1996年11月11日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-05-16