SF ソードキル |
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■公開:1984年 ■制作:アメリカ ■監督:J・ラリー・キャロル ■助監: ■脚本: ■原作: ■撮影: ■音楽: ■美術: ■主演:藤岡弘 ■寸評:エイリアン、原始人、ビッグフット、そしてサムライ。 |
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奥尻島で大津波が発生したとき現地に赴き救援活動を繰り広げた俳優・藤岡弘。なぜ、彼が?と誰もが当時はいぶかしがったが、その理由は藤岡弘が制作・主演した映画「オジロの海」で長期ロケを現地で敢行したからなのであった。 余命いくばくもない仕事人間だった父親(藤岡)が息子に「生きること」の素晴しさを身をもって説くというストーリーだった。息子の神田等則と大自然のなかでキャンプ生活をする寡黙で逞しい父親。今や絶滅しかかっている「強い父親像」を全力で演じた藤岡弘。そしてロケでお世話になった人々のためにボランティア活動に全力投球した藤岡弘。彼の姿に人間の魂をゆさぶるサムシングを感じた人は多い。 「アイスマン」で原始人を現代のアメリカに蘇らせたハリウッドが次に目をつけたのがジャパニーズ・サムライであった。それを演じたのが藤岡弘である。30〜40歳代の人には「仮面ライダー」であり最近はタフな容貌(そして実際多数の武道の段位をもつ)を逆手にとって「持ち物検査・部長」としてCMで活躍している。 侍大将のタガヨシミツ(多賀義光?)は凍った川につきおとされて仮死状態になり数百年の後、ニューヨークで復活した。 見るもの聞くものわけわからん状態の彼は実験動物として研究所に送られるが脱走してしまう。マンハッタン島へやってきた彼は老人からカツアゲをしようとしていたストリートギャングをたたっ斬る。アメリカ人にとって「長大な刃物=刀」でザックリと斬られた死体はえらく「猟奇的」と映るわけだ。したがってヨシミツは危険人物として当局から追われるハメになる。言葉は通じないがヨシミツと心を通わせた女性との淡い束の間の恋、山中でついに追い詰められたヨシミツは割腹し、再び川に身を投げた。「自分は侍である。死ぬことが侍の道だ」と言い残して。 アーノルド・シュワルツネッガーもジャン・クロード・ヴァンダムもスタローンも最初はマッチョ役でハリウッドに進出した。つまり外国人である彼等は「肉体派」を演じることで言葉のハンディを跳ね返したのである。ところで藤岡弘の語学力はどうか。なにせ「古代の侍」であるから英語がわからないのは当然である。おまけにヨシミツは大変に「寡黙」なキャラクターなので全然大丈夫なのであった。 カルチャーショックの数々もまたお約束である。まず「テレビ」だ。四角い小さな箱に映るヘヴィメタバンドの薄気味の悪い映像にちょっぴりびびったヨシミツだったがこれはなんとかクリア。外に出て自動車を見て興味津々となったヨシミツ。固そうなボンネットには手を出さずタイヤに脇差しをブスリと突き立て御満悦。藤岡弘はこれらの「小ギャグ」をこれでもかというくらい目の玉をひんむいて肩いからせて、それこそ大熱演。三船敏郎の後を継ぐのか?ニッポン・ブシドー! 一歩間違えば「国辱映画」となりかかるところだが藤岡弘の熱演のおかげで、アメリカの人々にニッポン・サムライとはどんなものであるかがよく御理解いただけたのではないかと推察される。「どんな?」ってつまり、その、藤岡弘こそが「滅び行くニッポンの侍」なんだなあという事を。 (1996年12月26日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16