怪竜大決戦 |
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■公開:1966年 ■制作:東映 ■監督:山内鉄也 ■助監: ■脚本:伊上勝 ■撮影: ■音楽: ■美術: ■主演:松方弘樹 ■寸評:「ジュラシックパーク」なんかよりこっちのほうがスッゲーぞ! |
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この映画に出てくるガマ怪獣の着ぐるみは後にテレビドラマの「仮面の忍者・赤影」に再利用された。 蟇道人・金子信雄に育てられたヒーロー・松方弘樹が、悪玉・天津敏と結託した兄弟子・大友柳太朗と対決する特撮時代劇映画。大友柳太朗の娘が小川知子で彼女もまた蜘蛛婆・原泉子に仕込まれた忍者なのだった。 この作品でニヒルなダーティーヒーロー・大友柳太朗とがっぷり四つに組んでの「悪役」ぶりが買われたためか、天津敏はテレビの「赤影」でいかがわしい新興宗教の尊師(グル)を演じる。どうせなら御大・大友柳太朗による「玄妖斎」というのを見たかったなあ。でもって魔風・雷(いかづち)丸(テレビでは汐路章)が月形龍之介だったりして。 蟇蛙(松方)、水竜(大友)、大蜘蛛(小川)の三つ巴による対決はなかなかゴージャス。おまけにこの3匹の咆哮はサウンドエフェクトではなくそれぞれの俳優の吹き替え。つまり生身の人間同士の対決のように「おのれ!大蛇丸!」「なにをこしゃくな小せがれめ!」「やめてー!父上」ってな調子で台詞を喋るのだ(しかもエコーがビンビン)。目を閉じていると派手な破壊音はさておき、とても怪獣映画とは思えないのでちょっぴり得した気分になれる(わけないか)。 時代劇映画がジリ貧になった東映が折りからの「テレビ」における怪獣ブームに便乗しただけの「特撮映画」である。したがって前半、松方弘樹が敵方の攻撃を受けて生首が胴体からはなれてまたくっつくというような学芸会なみのチープな特殊効果が情けないものがあるし、3大怪獣の対決シーンでもいかにも動きがトロくさいのどかな風情が漂ってしまうのがいかんともし難いところだ。 やっぱり怪獣だけでは間がもたないと判断したのかラストはお互いの変身忍法が破れた松方弘樹と大友柳太朗の直接対決シーンになる。 波打ち際でこれまたノホホンとしかも大時代的な演技で刀を交えるのだが、敗者=大友柳太朗の水没シーンが極めつけにダサかった。一応、特撮なんだからあっさり斬り死したのではカッコつかないと思ったのかどうかは知らないが、深さが膝ぐらいまでしかないところで、討ちとられた大友の姿がザブンと沈んだと思ったらたちまちスモークがたちこめ、色鮮やかなライトが点滅しあぶくがブクブクと沸き上がってくるというシーンを演出してくれたのだ。素直に死にゃあいいものを、、。 このような「とってつけた」ような特殊効果があちこちに見られる安っぽい時代劇映画になってしまったのであるが、世の中というのは一筋縄では行かないもので、劇場公開したところがうっかり評判をとってしまい、それに気を良くした東映がテレビにおいてさらにうさん臭さをエスカレートさせた「仮面の忍者 赤影」で大成功するのである。 「瓢箪から駒」の例えがあるように、ポルノから教育映画まで「とりあえず作ってから考える」という東映の社風がよく現われた作品であったといえよう。 (1996年10月11日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-05-16