壇の浦夜枕合戦記 |
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■公開:1977年 |
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壇ノ浦に追い詰められた平氏一門は、安徳天皇とその母である建礼門院をはじめとする、女官、腰元らが船上から、海中へ身を投げて悲劇的な最後を迎えた。ところが源氏の総大将・源義経は、死に損なった女達をすくい上げ陣地へ幽閉した。 助けた建礼門院・渡辺とく子の美しさ(特に体の)にゾッコンになってしまったのは、女ったらしの源氏の大将である義経・風間杜夫。なんとか彼女をモノにしようと悪戦苦闘する。他の平氏の女達は、源氏の武将達に、つぎつぎと辱められていった。 重厚なセットと豪華な衣装。昨今のエセ時代劇とは格段の、格調高い、絵巻物語のような美しい画面。女達はきちんと鬢つけ油で眉をつぶしておしろいを塗っているという、時代考証にも忠実なメイク。だがこれは紛れもないエロ映画である。 義経は捕虜になった女達に、まるでショーケースでも見つめるような、お下劣な視線を投げかけ、マイケルジャクソンのような雄叫びを上げる。おびえる女達、さらに舐めるように見つめる、義経。女達はいずれ処刑されるであろうと、建礼門院の女官がなんとか命乞いをと、知性派の武将・丹古母鬼馬二(?)に陳情に行く。夕日に染まる浜辺、歩いてくる二人、揺れるかがり火、女官の訴えに、「お諦めなさい」とかなんとか、口ではちゃんと時代劇しているのに、いきなり女官の着物のスソを捲り上げ、さっさと犯してしまう鬼馬二。頼む相手を間違えたようだ。 ロマンポルノでお馴染みで、神代監督作品の常連である、高橋明は暴力的な武将だ。高貴な女達を「しょせん女は女、ヤラレる時は犬畜生と同じ」などの言葉で責める。そのあとは強制的にレズビアンショーをやらせたり、小便を飲ませたりという、破壊的な凌辱シーンを繰り広げる。 建礼門院には「手荒なことはしない」とかなんとか言っておいて、ひそかに人買いに女たちを叩き売る義経、サイテーである。 時代劇のポルノといえば「九の一」モノが一般的(そうか?)だが、ハイソサエティな女性を動物のように犯す、というのは洋の東西を問わず、男の夢、なのだろうか。 好色・義経の風間杜夫は、ひたすら建礼門院に「同情します、お慰めしたい」など、声をひっくり返しながら熱烈なラブコールを送る。相手はジャンボなお色気ムンムンの渡辺とく子であるから、思ったとおりその願いは叶えられる。東映の子役としてスタートしたかなり長い映画のキャリア、「蒲田行進曲」で売れる以前の、風間杜夫の代表作(本人の意向は不明だが)。 (1996年09月13日) 【追記】 |
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※本文中敬称略 |
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file updated : 2003-08-17