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続 社長三代記


■公開:1958年
■制作:東宝
■製作:
■監督:松林宗恵
■助監:
■脚本:笠原良三
■原作:
■撮影:
■音楽:
■美術:
■主演:加東大介
■ワンポイント:モリシゲとのり平あればこそ、の社長シリーズ


 女好きの社長が浮気しようとするが結局、女房が怖くて踏み切れず元の鞘に収まる。宴会好きな部長が何かにつけて社長を唆し、生真面目な社長秘書とともに宴会芸を披露する。このパターンは後の森繁&小林桂樹&三木のり平のゴールデントリオによる「社長シリーズ」へ受け継がれる。

 前作(「社長三代記」)で、浮気が過ぎたためアメリカに赴任させられた二代目社長・森繁久弥の後を受けて社長になった加東大介は万事、真面目で要領が悪い。娘のところへ求婚に来た現代的な平社員がどうにもこうにも「根性なし」に見えてしかたない。社長就任演説も、徳川夢声を臨時コーチに招き特訓を受けたが、退屈きわまりないものだった。先代社長の轍は踏むまいと「質実剛健」をモットーとしていたが出張先の大阪で森繁が酔っ払って書いた掛軸の言葉に発奮し、女遊びに邁進する。根が生真面目で融通が効かないだけに一度のめり込むとさあ大変。

 宴会部長の三木のり平にノセられるまま、芸者を上げてどんちゃん騒ぎ。初代社長の未亡人から「女遊びは慎め」と言われていたにもかかわらず、ライバルの有島一郎のチクリも効を奏し、あわや社長の座から転落か。そこへアメリカから一時帰国した森繁から呼び出しが。結婚を反対された娘が家出したり、未亡人のところの娘が親の目を盗んで歌番組に出演した責任を追及されたり、ボロボロの加東大介を「気楽にやれ」と励ます森繁。

 「社長」シリーズと言えば宴会シーンのお座敷芸が毎回の目玉。いつものとおりノリノリの三木のり平による殊玉の技が楽しめる。いつもニコリともしないで飛んでもないことをやらかす小林桂樹も奮闘。だがなんといっても、今回は新社長・加東大介に注目だ。芸者の扇千景に「『大番』のギューちゃんそっくりねえ」と言われ「ワシャ、映画スターに似とるかね」という楽屋オチから、いきなり女装へ。「哀愁列車」のメロディーに乗って三木のり平に接吻までやってのける大サービス。

 だが、どこを切っても助平ったらしい森繁と違いやはり加東社長はチト堅い。後半、ゲスト出演気味の森繁が登場してからのほうがグッと和む。馴染みの芸者とイチャイチャしているところを久慈あさみに発見され狼狽するお約束のシーン。やはり社長シリーズには森繁久彌は欠かせない。

 未亡人の娘が雪村いづみ。小林桂樹に歌番組への出演をねだる。小林に「有名な歌手に似てますね、そう、美空ひばり!」と言われて複雑な表情を見せる(なにが不満だったのだろうか?ま、どうでもいいことではあるが)。ここんところも楽屋オチ気味。もちろん歌はめちゃくちゃ上手い。

 加東の家に来るお手伝いさんが若水ヤエ子。かなり美人なのに黒縁眼鏡をかけてズーズー弁を喋る。この人は出身が千葉なので、この東北弁はまったくの創作だとか。

 本作品は、源氏鶏太の原作から後の「森繁久彌の社長シリーズ」へ移行する中間的な作品であるといえるかも。

1996年10月02日

【追記】

※本文中敬称略


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■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-08-17