「日本映画の感想文」のトップページへ

「サイトマップ」へ


女の警察 国際線待合室


■公開:1970年
■制作:日活
■製作:
■監督:丹野雄二
■助監:
■脚本:中西隆三、佐藤道雄
■原作:
■撮影:
■音楽:
■美術:
■主演:小林旭
■ワンポイント:小林旭が梅宮辰夫になりつつある映画?


 まさかあんなに太るとは思わなかったが、小林旭はこの頃から徐々に脂(身)がノリノリになっている。

 小林旭が演じているのは、ホステスの引き抜き、斡旋を生業とする、いわゆる「玉転がし」である。これがやたらに女にモテまくる。ウォーターフロント系の女性達は、いずれも、亭主がヤクザだとか、親父が借金こさえて逃げちゃったとか、いろいろなウィークポイントを持っている。旭は、彼女たちを「一流のホステス」に育て上げるべく、心構えや、男を骨抜きにするテクの数々を、自らの体を使って、実地教育する。

 「女の警察」はシリーズもの。本作はシリーズの中でもとりわけ「お色気」路線に振った作品である。本来は健全な(?)アクションスターとして売り出された小林旭であるが、この頃になると、だいぶ演技と体に脂が乗ってきて、男性の精気ムンムンという風情。

 旭が育て上げた、売れっ子ホステス・戸部夕子が羽田空港(今では地方のローカルエアポートになったが、当時は国際空港だった)から姿を消す。失踪する直前に電話を受けた友達の証言などから、誘拐であると睨んだ小林旭。彼女はしばらくして、外国で麻薬中毒のラリパッパになっているところを発見される。

 巨大な人身売買組織相手に、小林旭が大活躍。派手なアクションシーンもさる事ながら、それを上回るベッドシーンの多さで、ほとんどポルノ映画。 

 梅宮辰夫を彷彿とさせるスケコマシぶりを発揮する、小林旭と同等に、いやそれ以上に、この映画(シリーズ)の要となったのは、全編に轟き渡る、青江美奈のド迫力「ムード歌謡」である。キャバレーの専属歌手としてステージに立つシーンを初めとして、エピローグとエンディングに、有線放送のボリュームを目一杯あげたように挿入される彼女の歌がこの映画のすべてであった。

 「歌謡映画」の流れを組む本作品シリーズ。今では関取と見まごうばかりに肥満した、小林旭。これは「渡り鳥」から「相撲とり」へ変貌を遂げた旭の、過渡期の作品なのである。

1996年09月18日

【追記】

※本文中敬称略


このページのてっぺんへ

■日のあたらない邦画劇場■

file updated : 2003-08-17