花との出会いも、また、旅の楽しみの一つです。丁度花の季節に旅して、瞼に焼き付いている花のある風景が沢山あります。
オランダのリッセ郊外にあるキューケンホフ公園のチューリップは世界的に有名ですが、この近郊に拡がる赤、黄、紫など色とりどりの絨毯を敷き詰めたようなチューリップ畑の眺めは壮観です。
ドイツのロマンチック街道を5月に訪れますと街道沿いの草原はあたり一面菜の花やタンポポの花で埋め尽くされ身も心も黄色に染まりそうです。
オーストリアのインスブルブを5月に訪れた時は王宮庭園のマロニエやライラックの大木が満開でベンチにかけてしばらく見とれていました。
5月フランスーノルマンディのモン・サンミッセルからドービルを経てオンフルールに至る街道筋は菜の花やタンポポの真っ黄色の絨毯の中に淡いピンクを帯びた白いリンゴの花が咲き乱れ何とも言えないロマンチックな風景でした。
ヨーロッパ特にスイスでは家々の窓という窓には花篭が一杯飾られていますが、8月初旬サンモリッツからチェルマットへ行く氷河特急の途中の山の中の小さな駅の壁一面花で飾られ一塩旅情を感じました。
オセアニアは10月から2月位が花の季節です。パースを拠点としたワイルド・フラワー・ウォチングの旅はフォトの部「豪州西部」で紹介していますが、広大な荒野に咲き誇る無数のワイルド・フラワーの景観はほかでは見ることが出来ません。
ニュージーランド南島のサザン・アルプスを背景に咲き乱れるルピナスの花は大好きな花の一つです。ルピナスとはラテン語のオオカミのことで、土地を選ばずよく育つことから土地を荒らすと考えられてこの名が付いたと言われています。フォトの部の「ニュージーランド」のところで説明しましたように、マウント・クックでは除草剤でルピナスは取り払われており、折角の景観が台無しになって本当に残念です。また、ニュージーランドのクイーンズタウンからテ・アナウに行く街道筋には真っ黄色のエニシダの大群落が延々と続き美しいというより壮観です。さらに、クライストチヤーチはガーデニングの町として知られています。
高山植物の花との出会いは少ないですが、2001年7月スイスアルプスへ旅行した時メンリッヘンからクライネシャイデック迄のハイキングで名前は分かりませんが白や紫や黄色の小さな高山植物の花を沢山見ることが出来ました。
これからも、一期一会の花との出会いを楽しむことを願っています。
(2003.7)